Mini EQ "Full-Parametric" EVR

Mini EQ "Full-Parametric" EVR

通常価格 ¥0 ¥31,400 販売中

※11/15- 初回ロットのご納品は2026年1月中旬を予定しております。

2018年にLeqtiqueshopオリジナルペダルとして、リリースしておりましたLeqtique - Mini EQを大幅にブラッシュアップ、アップグレードしてMini EQ EVRは完成しました。最大の違いは、Mini EQでは元来難儀な"パラメトリックイコライザー"のコンセプトをわかりやすく、かつ音楽的な範囲にとどめるためSemi-Parametric(後述のQの設定値は固定)のデザインであったのに比べまして、今回は増減する周波数(Freq)の周りにどれだけ影響を与えるか、というQ(Range)コントロールを追加したことにより、Full-Parametric(フルパラメトリック) EQとなりました。

  また、同時にスイッチのON/OFF時の体感上の音量差をなくされたいプレイヤー、もしくは特定の周波数のブースト/カットと合わせて、それとは別に全体のブースター(もしくはDe-Booster)としての用途も想定し、新たにUniversal Boost/Cutも追加いたしました。

(2025 Mini EQ "Full-Parametric" EVR 

 

各種コントロールの可変域はMini EQ時の"わかりやすさ"よりも、フルに全てをコントロールできることを意識し、290(hz)-3.3k(hz)であった可変域は80(hz)-8k(hz)まで拡張、±8dBであったBoost/Cutのコントロール量も±20dBまで拡張しました。Q(Range)のコントロールについても設定した特定のFreqを、聴感上完全にピンポイントで上げ下げしたり、もしくは特定のFreqを中心に広く近隣の周波数に自然と影響をもたらすような加減も可能な広いコントロール幅に設定しています。また、拡張された各コントロールにおいて可能な限り低い歪み率で再生するために、CLHD EVRでも採用しているよりクリーンに36Vを生み出す生成ICと、Leqtique(EVR)らしいLinear Techonology社(現Analog Devices社)の音響IC史上最高レベルの心臓部ICなどを標準的に採用しています。

 他方、同時にリリースとなりましたLeqtique EVR - istの片方のチャンネルを抜き出し最大限までコントロール幅とヘッドルームを拡張したような内容となっていますが、フットスイッチのON/OFFがあることによりよりブースター的な要素が非常に強く、istが定常的なサウンドのコントロールやまたそれと同義的なアクティブなバッファーとしての機能が主たるものとすると、Mini EQ EVRは積極的なON/OFFを付随するような特定の色付けand /orユニバーサルなブースターとしての用途に最適です。

 ist同様に、かなり多くの活用用途が想定されますが、Mini EQ "FP" EVRは既に納得されている最高のペダルシステムもしくは直列されたペダル(達)のポテンシャルを100%以上引き出すための裏技的なデバイスです。istの商品ページでも記載させていただきましたが、殆どの亜種と思われるエフェクターペダル(**系など)のグループは、フィルタリングと呼ばれる電子回路の途中での"周波数付け"の違いでサウンドの変化を作られていることが多く、お気に入りのエフェクターの前後にMIni EQ EVRを繋ぐことは、本来エンジニアでしか変更できないあらゆる周波数のポイントにアクセス、調整できることを意味します。特にMini EQよりもコントロールできる範囲とパラメータが増えたことにより、慣れて頂くまで使用は難しいと感じられるかもしれませんが、私自身が昔からずっと一番本質的かつ、最終兵器と考えきたのがこの(Full) Parametric EQのジャンルであり、そのEVRバージョンが"あと少し足りない何か"を補完したり、ペダルのポテンシャルをデザイナーの想定以上に拡張し、未だ存在しなかった最高と思しトーンを出力される手助けとなることを強く信じて止みません。

 

Control : (Left to Right) Freq Boost/Cut , Universal Boost/Cut(mini) , Freq , Q(Range)

Operation Voltage : 9V (NO 18V)

 

"EVR" コンセプトについて 

  2019年以降はヨーロッパを拠点としていくつかのペダルのデザインには携わらせて来ておりましたが、Leqtiqueのペダルについては新作をリリースすることもなく実質的には休止状態になっておりました。しかしながら、2024年拠点を一時的にアイスランドとしたことで素晴らしいインスピレーションを複数得ることができ、その全てを"EVR"というアップデートパッケージとしてデザインし続けて参りました。

 "EVR"とは、アイスランド語でEVRU:ヨーロッパを意味します。長年、通いや拠点としてヨーロッパ各地で得たインスピレーションや経験をフィードバックして体現していくことを文字に強く込めています。塗装の色彩感や、サウンドのダークさなど元々、強くヨーロッパへの憧れが体現されていたLeqtiqueのペダルですが、より現実的な経験としてはっきり体現されています。

  15年間アップデートの入ることのなかった、Leqtiqueのペダルですが筐体、全てのコンポーネンツ、コンセプトなど一から全て再構成をしました。例えばアルミニウム削り出しの一体型であった筐体は、許容力の広い一般的な"箱"のデザインでしか今まではありませんでしたが、完全にLeqtique EVRのペダルでしか活用できないような特別な設計としてあります。"一体型"であることの優位性を考え直すことで、アルミニウムのみであった素材は、今回アルミニウムの機能的なベースケースと、非磁性のステンレスを使用したコスメティックなレイヤー、また個別で切削されたパーツの3セクションに分割し、統合することで構築されており、"削り出し筐体"のデザイン面での多様性と一貫性、マテリアルチョイスの制限性に逆説的に大きくメスを入れました。結果として、アクリル塗料により塗装されていたケースの大部分はアルミニウムの陽極酸化処理として置き換えられ、今までと比較にならない耐久性を得ることができ、上部レイヤーをステンレス素材をにすることでペダル全体の剛性感は格段に向上し、コスメティックな観点でもステンレスの輝きはハンドペイントに今までには無い奥深い立体感を付与しまいます。また、多軸のCNCマシンでも制作の難しいアイデアについては、個別でパーツを作成し統合することで解決しており、特にチームでは"Slider"と呼んでいる内部の部品は、ペダルコンセプトとは別色で敢えて制作されており、ブランド初期より長らく使用し続けているGavitt製のクロスワイヤーを個別でシールドするのと、Leqtiqueらしいすっきりとした配線を2次元から3次元的に昇華しています。

  他方、電源セクションはペダルの基幹的なデザインの中で間違いなく一番重要なポイントですが、リーディングブランドであるKeystone社の電池スナップを長年活用させていただいておりましたが、最高品位なものが廃盤となり自分としてはこの部分に対して一番頭を抱えておりました.... しかし、EVRコンセプトしてすべてを一から再構築する際に、経年によってワイヤーが切れる可能性のあるスナップではなく、電池自体をセクションとしてマウントしたい。という理想を今回具現化しました。Keystone社の"Model 91"はビンテージタイプから素材やデザインはさほど変わっておらず、9Vの角電池を強力にホールドして強いパワーシグナルをアウトプットするという意味では、個別で設計されたVPTP基板と合わせて、オリジナルLeqtiqueペダルのフォーマットからは遥かに高次元な進化を遂げました。

 こういった全てのアップデートの大半は、"ペダル内部"に関するものが多く、前述の高品位なパーツ群といった話も含めて、実は演奏して実際にペダルを楽しんでいる際には気に留められることがほぼ無い部分なのですが、そこに"なぜ?"という問いも今回のアップデートパッケージの原動力の大きなテーマの一つでありました。自分なりの答えとして、"裏蓋から内部へのアクセスの悪さ"が大きな要因の一つであると考え、裏蓋と固定構造についてもかなり長い時間考察と設計を続けました。最終的に、UKで製造されるカーボンファイバーで強化されたポリアミドの小さなノブ2つで固定することのできる構造へと、トラディショナルな4点プラスねじ止め構造から発展させました。こちらの小さなノブは親指で締めたり、緩めたりが可能なトルク感を持っておりますが、内部にアクセスする機会の少ない場合はスリットが、各国の硬貨やピックの挟まるサイズ感にしてありますのでそちらで増し締めしていただけたらと思います。

  今までで一番ペダル内部に開閉しやすいデザイン。というのが、ペダル内部にひたすら拘り続けた自分からの最終的な回答です。今後のLeqtiqueペダルの新作や、過去作のアップデートには内部トリマーetc...など多く含んで参りますのでこのアップデートは間違いなく大きな意味を持ってくると思います。また、強いメッセージとして"時々ペダルの内部も開けてみてください。間違いなくこのペダルをさらに愛せるでしょう。"というものもあります。世界各地から集められたカスタム品や、シークレットパーツ達それぞれにストーリーがあるのです..... (後記ブログにて詳しく

(参考動画リンクは2018 Leqtique - Mini EQとなります。