Azur
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¥29,400
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※2026/6/6発売の初回ロット分は出荷まで10日を要し、6/16前後の出荷予定となります。
2026年になり、EVRのデザインもEHVを始めとしてより前衛的に、あらゆる先鋭的なアイデアを取り入れていく予定ですが、その中で歪系の中で特に一つリリースすべきトラディショナルなペダルがあることに気づきました。
ちょうど10年前にリリースしたRochechouart(通称Roch)は、当時はコンセプトの出始め、また現代に至ってはオーバードライブの中心的スタイルの一つとなった"トランスペアレント系"と呼ばれるスタイルに対する、Leqtiqueブランドなりの回答でした。それ以来、さらなるトランスペアレント系に対する回答は、より高い発展性を持たせ、"Beryl"(EVR)にて完全体として完成させることとなります。
故に、Roch EVRのリリースには(?)と長くなっており、さらに結果的にリリースすることは無いのですが、→Berylとなっていく中で自分のデザイン上一番高い汎用性を持つデザインの一つとして、明らかにサウンドは現代的により鋭利に、冷たく、解像度の高いサウンドへとなっていきました。対して、Rochの持ち合わせていたサウンドは解像度こそ高いながらも、SND - Redemptionistのような柔らかくソフトで整った弾き心地のサウンドです。
自分の最近のデザインの一つの大きな傾向として、クリアさや鋭さ、もしくは歪み感においてはFuzzに代表される"毛羽立ち感"のようなものを内包して、よりサウンドに有機性を持たせようとしていることに気づかれる、ハードコアなユーザーの方は多いかもしれません。客観的に立ち止まり、よりソフトで柔らかくまろやかな所謂"トランスペアレント系"の操作感を持ったペダルを絶対にリリースしなくては。と思い立ち、完成させたのがこの"Azur"(アズール)となります。
Beryl(EVR)同様の超汎用的なコントロール(Treble-Cut , Low-Cut)の広さはそのまま継承することとしながらも、心臓部のLinear Technologies社のLT1213や、荒めの歪みを生み出す緑色のクリッパーなどのBeryl(EVR)とは真逆をいくようなビンテージの心臓部とクリッパを採用することにより、非常にソフトで柔らかいサウンドをデザインしています。
2025年Beryl EVRのリリース当時には、"ダークなサウンドの多いLeqtique製品"と書きましたが、その後前述のようにオープンで明るいサウンドを持つペダル(もしくはその方向性のアップデート)を数多くリリースしたことにより、もしかしたら今のデザインを総合的に評価したらそんなにダークでは無いのかもしれません。"Azur"にはダークさはもちろんのこと、ソフトさ、柔らかさ、弾き心地の良さといった、そもそもトランスペアレント系のオーバードライブが現代的に発展するごとに、意図的に失っていた特徴の全てを持ち合わせます。
EHVをはじめとして、超のつくようなダイナミクスやレスポンス、オープンさに傾倒しがちな最近の自分のデザインですが、全く真逆の価値として、程よいダイナミクス感、ある程度絞られたレンジ感などと言った要素は、超高解像度なペダルの多い現代だからこそ輝くペダルに仕上がったと思います。使用用途としては、やはりトランスペアレント系ペダルの得意とするアンプのプッシュで特に輝きますが、単体でのサウンドとしてもSND-Redemptionistの弟分と形容できるような柔らかくてソフトなオーバードライブサウンド、また特筆すべくは、他のEVRデザインの後ろに配置することで、EQとして過度な要素を抑える効果だけでなく、Azur自体の程よいサウンドの"非高速感"が追加されることで、昔ながらのサウンドの輪郭へと繋がるコンディショナーとして機能させるのが非常にオススメです。
Control : (Left to Right) Volume , Low-Cut(mini) , Treble-Cut , Gain
Operation Voltage : 9V-18V
Shun Nokina
"EVR" コンセプトについて
2019年以降はヨーロッパを拠点としていくつかのペダルのデザインには携わらせて来ておりましたが、Leqtiqueのペダルについては新作をリリースすることもなく実質的には休止状態になっておりました。しかしながら、2024年拠点を一時的にアイスランドとしたことで素晴らしいインスピレーションを複数得ることができ、その全てを"EVR"というアップデートパッケージとしてデザインし続けて参りました。
"EVR"とは、アイスランド語でEVRU:ヨーロッパを意味します。長年、通いや拠点としてヨーロッパ各地で得たインスピレーションや経験をフィードバックして体現していくことを文字に強く込めています。塗装の色彩感や、サウンドのダークさなど元々、強くヨーロッパへの憧れが体現されていたLeqtiqueのペダルですが、より現実的な経験としてはっきり体現されています。
15年間アップデートの入ることのなかった、Leqtiqueのペダルですが筐体、全てのコンポーネンツ、コンセプトなど一から全て再構成をしました。例えばアルミニウム削り出しの一体型であった筐体は、許容力の広い一般的な"箱"のデザインでしか今まではありませんでしたが、完全にLeqtique EVRのペダルでしか活用できないような特別な設計としてあります。"一体型"であることの優位性を考え直すことで、アルミニウムのみであった素材は、今回アルミニウムの機能的なベースケースと、非磁性のステンレスを使用したコスメティックなレイヤー、また個別で切削されたパーツの3セクションに分割し、統合することで構築されており、"削り出し筐体"のデザイン面での多様性と一貫性、マテリアルチョイスの制限性に逆説的に大きくメスを入れました。結果として、アクリル塗料により塗装されていたケースの大部分はアルミニウムの陽極酸化処理として置き換えられ、今までと比較にならない耐久性を得ることができ、上部レイヤーをステンレス素材をにすることでペダル全体の剛性感は格段に向上し、コスメティックな観点でもステンレスの輝きはハンドペイントに今までには無い奥深い立体感を付与しまいます。また、多軸のCNCマシンでも制作の難しいアイデアについては、個別でパーツを作成し統合することで解決しており、特にチームでは"Slider"と呼んでいる内部の部品は、ペダルコンセプトとは別色で敢えて制作されており、ブランド初期より長らく使用し続けているGavitt製のクロスワイヤーを個別でシールドするのと、Leqtiqueらしいすっきりとした配線を2次元から3次元的に昇華しています。


他方、電源セクションはペダルの基幹的なデザインの中で間違いなく一番重要なポイントですが、リーディングブランドであるKeystone社の電池スナップを長年活用させていただいておりましたが、最高品位なものが廃盤となり自分としてはこの部分に対して一番頭を抱えておりました.... しかし、EVRコンセプトしてすべてを一から再構築する際に、経年によってワイヤーが切れる可能性のあるスナップではなく、電池自体をセクションとしてマウントしたい。という理想を今回具現化しました。Keystone社の"Model 91"はビンテージタイプから素材やデザインはさほど変わっておらず、9Vの角電池を強力にホールドして強いパワーシグナルをアウトプットするという意味では、個別で設計されたVPTP基板と合わせて、オリジナルLeqtiqueペダルのフォーマットからは遥かに高次元な進化を遂げました。


こういった全てのアップデートの大半は、"ペダル内部"に関するものが多く、前述の高品位なパーツ群といった話も含めて、実は演奏して実際にペダルを楽しんでいる際には気に留められることがほぼ無い部分なのですが、そこに"なぜ?"という問いも今回のアップデートパッケージの原動力の大きなテーマの一つでありました。自分なりの答えとして、"裏蓋から内部へのアクセスの悪さ"が大きな要因の一つであると考え、裏蓋と固定構造についてもかなり長い時間考察と設計を続けました。最終的に、UKで製造されるカーボンファイバーで強化されたポリアミドの小さなノブ2つで固定することのできる構造へと、トラディショナルな4点プラスねじ止め構造から発展させました。こちらの小さなノブは親指で締めたり、緩めたりが可能なトルク感を持っておりますが、内部にアクセスする機会の少ない場合はスリットが、各国の硬貨やピックの挟まるサイズ感にしてありますのでそちらで増し締めしていただけたらと思います。

今までで一番ペダル内部に開閉しやすいデザイン。というのが、ペダル内部にひたすら拘り続けた自分からの最終的な回答です。今後のLeqtiqueペダルの新作や、過去作のアップデートには内部トリマーetc...など多く含んで参りますのでこのアップデートは間違いなく大きな意味を持ってくると思います。また、強いメッセージとして"時々ペダルの内部も開けてみてください。間違いなくこのペダルをさらに愛せるでしょう。"というものもあります。世界各地から集められたカスタム品や、シークレットパーツ達それぞれにストーリーがあるのです..... (後記ブログにて詳しく
※Leqtique オリジナル Beryl 説明書